打越の家

道路から傾斜地を少し上がった小高い場所に建つ住宅である。建物は連続性にこだわって設計されている。つまり、建物内部においては部屋と部屋の間に庭を挟むことで次の空間へとつながっていく。また、外部と内部の境をあいまいにすることで連続性を表現している。

広いリビングは庭と一体となっているが、ただ広い空間では落ち着かず居心地が悪い。そこで南の庇を低く抑え長く張り出すことでそれを解消させている。リビングから続く部屋の前後には庭を配置することで風の流れを作り光を取り込む。結果、常に緑を感じながら気持ちのいい空間が出来上がった。

構造は耐震性を考慮し鉄筋コンクリート造としたが、屋根を鉄骨造とすることで、構造への負担を軽くし大空間を実現している。

平面計画としてはそれぞれの空間が独立性を保っているが、間に庭を配置することでお互いに気配を感じることができる。玄関という特別な空間はなく、テラスからつながるタイルの床が動線の目印となっている。

施主とは材料一つ一つに対して打ち合わせを重ね、丁寧に選んでいった。中でも敷き詰めたタイルは工場へ出向き、納得のいくものをオリジナルで焼き上げている。タイルはそれぞれに少しずつ色や表情が異なっているが、大きく敷き詰めることで一つの質感を持たせ、建物に温かみが生まれることとなった。

 

MODERN LIVING no.236

Completion date 2015.12
Principal use Residence
Total floor area 495.13㎡
Location Aichi,nagakute
Structure RC+S structure
Structure design Rhythm Design Mov
BACK